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技術職の経験を「好き」と結びつける:無理なく始めるシニア向けセカンドキャリアの見つけ方

Tags: シニア, セカンドキャリア, 技術職, 経験活用, 趣味, 働き方, 地域活動, 相談窓口

技術職の経験を「好き」と結びつける:無理なく始めるシニア向けセカンドキャリアの見つけ方

長年にわたり技術職としてご活躍され、定年を迎え、あるいはこれから迎えられる皆様にとって、セカンドキャリアについて考えることは、新たな可能性に満ちた一方で、少なからず戸惑いもあるかもしれません。体力的なこと、ITへの不安、そして「これまで」の経験をどう活かせるのかといった様々な考慮事項があることと存じます。

キャリア再設計ラボでは、皆様がご自身の経験やスキルを見つめ直し、多様な選択肢の中から最適なセカンドキャリアを見つけるためのお手伝いができればと考えております。この記事では、特に技術職として培われた貴重な経験と、ご自身の「好き」や長年の関心事を結びつけ、無理なく始められるセカンドキャリアを見つけるヒントをご紹介いたします。

なぜ、技術経験と「好き」を結びつけることが有効なのか

セカンドキャリアを考える上で、これまでの職業経験を活かしたいと考えるのは自然なことです。技術職として積み重ねてこられた経験は、特定の専門知識だけでなく、問題解決能力、論理的思考力、計画性、継続的に学び続ける姿勢など、幅広い場面で通用する貴重なスキルを含んでいます。

一方で、これらの経験をそのまま同じ職種で活かすことが体力的に難しい場合や、新しい環境に飛び込むことにためらいを感じる場合もあるかもしれません。そこで注目したいのが、皆様がこれまで大切にしてきた「好き」や長年の関心事です。

ご自身の技術経験と「好き」を結びつけることには、以下のようなメリットが考えられます。

あなたの「好き」と「技術経験」を見つめ直すヒント

まずは、ご自身の内側にある「好き」や「関心事」、そして技術職として培われた経験を丁寧に棚卸ししてみましょう。

「好き」や「関心事」の棚卸し

過去から現在に至るまで、あなたが時間や労力を費やしてきたこと、自然と興味が向かうものは何でしょうか。

これらをノートに書き出すなどしてリストアップしてみましょう。ITツールに慣れていない場合でも、手書きのノートやメモ用紙で十分です。ご家族や親しい友人と昔の話をする中で、思い出すこともあるかもしれません。

技術経験の「抽象化」

次に、技術職としてのご経験を具体的な業務内容だけでなく、そこで培われた「どんな能力か」という視点で捉え直してみましょう。

これらのスキルは、必ずしも技術分野に限らず、多様な場面で求められる汎用性の高い能力です。

「好き」と「技術経験」の接点を探す

リストアップした「好き」や「関心事」と、棚卸しした「技術経験から得られた能力」を見比べて、重なり合う部分や、一方を他方で活かせそうな部分がないか考えてみましょう。

例えば、「歴史が好き」で「資料の整理や分析が得意」であれば、地域の歴史資料館での資料整理ボランティアや、地域史研究グループでの活動補助が考えられます。「植物を育てるのが好き」で「計画性や改善提案が得意」であれば、地域の公園緑地管理のサポートや、NPOが行う農業支援での効率化に関する助言などが考えられます。

直接的に結びつかなくても、「好き」な活動を行っている団体で、経理知識を活かした会計補助や、運転スキルを活かした送迎ボランティアなど、これまでの経験から得た責任感や正確性を活かせる裏方業務もあります。

技術経験と「好き」を活かせる具体的なセカンドキャリアの形

いくつか、技術経験と「好き」を結びつける可能性のあるセカンドキャリアの例をご紹介します。これらはあくまで一例であり、皆様の経験や「好き」に応じて様々な形が考えられます。

これらの多くは、必ずしもフルタイムで働く形ではなく、ボランティア、パートタイム、週に数時間の活動といった、体力や時間に無理のない範囲で関わることができるものです。

情報を集め、一歩を踏み出すには(オフラインでの情報収集・相談を中心に)

セカンドキャリアについて考え始め、具体的な活動を見つけたいと思ったとき、どこに相談すれば良いのでしょうか。ITツールやインターネットでの情報収集に抵抗がある場合でも、対面や電話で相談できる身近な窓口や情報源が多数あります。

これらの窓口や情報源をいくつか訪ねてみることで、これまで知らなかった地域の活動や仕事、そしてご自身の経験を活かせる意外な機会に出会える可能性があります。職員や担当者の方に、ご自身のこれまでの経験や、どのようなことに関心があるのかを率直に伝えてみましょう。

まとめ

長年の技術職経験は、単なる職務経歴ではなく、幅広い能力と深い知識の宝庫です。そして、ご自身の「好き」や長年の関心事は、セカンドキャリアを豊かにし、無理なく続けるための大切な要素です。

この二つを結びつけることで、経済的な側面だけでなく、生きがいや社会との繋がり、そして何よりもご自身の人生を楽しむための新たな一歩を踏み出すことができるはずです。

焦る必要はありません。まずは、ご自身の「好き」や得意なこと、そしてどんな働き方・関わり方が自分に合っているのかを、ゆっくりと見つめ直すことから始めてみてはいかがでしょうか。そして、今回ご紹介したような身近な相談窓口や情報源を活用しながら、無理のないペースで情報を集め、最初の一歩を踏み出してみてください。皆様のセカンドキャリアが、豊かなものとなるよう願っております。